「じゃあ、本題にうつるぜ」
桧周は、組んでいた足をほどき、前のめりに座り直した。
顔が、真剣だ。
「松園寺優留のことで、俺、ちょっとした噂聞いたんだけどよ。
お前が知ってるかどうかはわかんねんだけど」
「何だ?」
私も前のめりになった。
「優留が婚約するって話だ」
「な・・・!!相手は?!」
「まだ噂の段階だけどよ、亀集院家の誰かを婿にとるって話だぜ」
とっさに言葉が出てこなかった。
聞かなければならないことは多々あったが、思考が詰まって、上手く物事が処理できなかった。
優留の婚約など、初耳だった。
しかも、相手は・・・
頭の中が真っ白というより真っ黒と言ったほうが正しいかもしれない。
怒りにも似た強烈な焦りが私の身体を圧迫し、こらえきれず、めまいがした。
【松園寺 優留(ショウエンジ スグル)】
中学3年生、15歳。
私の父の弟(次男)の、長女である。
頭脳明晰で成績は常にトップ。
部活動では、剣道部の主将として、全国大会3連覇という偉業を成し遂げた。
さらには、中2中3二期連続で生徒会長をつとめている。
中性的な美麗さで同姓からの支持も高いと聞く。
文武両道で負けん気が強く、祖父からも女にしておくには惜しいと言わしめたほどの女だ。
優留の父は、グループ関連会社の代表取締役をつとめ、松園寺家の実質ナンバー2。
私の母は、一般家庭出身だが、
優留の母は、皇族にもゆかりのある良家の出身だ。
血だの、権力だの、で、換算するならば、
当主となるに、私にひけをとらない。
その優留の婚約相手が、亀集院家・・・。
【亀集院(きっしゅういん)家】
大地主であり、一族の中から首相をも輩出している名門中の名門だ。
莫大な資産を元手に日本中に展開した事業は多伎にわたる。
由緒と名声は、国内トップクラス。
「おい、啓志郎、大丈夫か?」
桧周が私の顔をのぞきこんで心配した。
ふるえる唇をやっとのことで開いてたずねた。
「…相手は、亀集院家の誰だ?」
桧周は、組んでいた足をほどき、前のめりに座り直した。
顔が、真剣だ。
「松園寺優留のことで、俺、ちょっとした噂聞いたんだけどよ。
お前が知ってるかどうかはわかんねんだけど」
「何だ?」
私も前のめりになった。
「優留が婚約するって話だ」
「な・・・!!相手は?!」
「まだ噂の段階だけどよ、亀集院家の誰かを婿にとるって話だぜ」
とっさに言葉が出てこなかった。
聞かなければならないことは多々あったが、思考が詰まって、上手く物事が処理できなかった。
優留の婚約など、初耳だった。
しかも、相手は・・・
頭の中が真っ白というより真っ黒と言ったほうが正しいかもしれない。
怒りにも似た強烈な焦りが私の身体を圧迫し、こらえきれず、めまいがした。
【松園寺 優留(ショウエンジ スグル)】
中学3年生、15歳。
私の父の弟(次男)の、長女である。
頭脳明晰で成績は常にトップ。
部活動では、剣道部の主将として、全国大会3連覇という偉業を成し遂げた。
さらには、中2中3二期連続で生徒会長をつとめている。
中性的な美麗さで同姓からの支持も高いと聞く。
文武両道で負けん気が強く、祖父からも女にしておくには惜しいと言わしめたほどの女だ。
優留の父は、グループ関連会社の代表取締役をつとめ、松園寺家の実質ナンバー2。
私の母は、一般家庭出身だが、
優留の母は、皇族にもゆかりのある良家の出身だ。
血だの、権力だの、で、換算するならば、
当主となるに、私にひけをとらない。
その優留の婚約相手が、亀集院家・・・。
【亀集院(きっしゅういん)家】
大地主であり、一族の中から首相をも輩出している名門中の名門だ。
莫大な資産を元手に日本中に展開した事業は多伎にわたる。
由緒と名声は、国内トップクラス。
「おい、啓志郎、大丈夫か?」
桧周が私の顔をのぞきこんで心配した。
ふるえる唇をやっとのことで開いてたずねた。
「…相手は、亀集院家の誰だ?」

