「ほんとー!!?どこ行く!!どこ行く!!!」
未礼の弾んだ声と表情が、いっそう明るくなった。
もう目は完全に覚めたようだ。
提案してよかった。
「行きたいところはあるか?」
「えーっとね、どうしようかな」
「朝食をとりながら決めるとするか」
「うんッ!!顔洗って来るね!」
未礼は、軽快な足どりで洗面所へむかった。
私も竹刀を片付けるため家に入った。
晴れた穏やかな空に、陰りが見えはじめたことに、
私は気づいていなかった。
「動物園がいい!!」
食卓に座るやいなや、未礼が身を乗り出すようにして言った。
「動物園?」
「そう!すっごいちっさいときに行った以来、行ってないの!!」
「初等部の遠足では行かなかったか?」
「…うん、行った覚えないんだよね…」
上目で考えこみながら、未礼はみそ汁をすすった。
動物園、と聞いて私は一枚の写真を思い出した。
先月、未礼の実家で、未礼の祖父と会ったときに見せてもらった写真だ。
パンダの檻の前で仲睦まじく一枚の写真におさまっていた、親子3人の姿。
幼き日の未礼と、実の両親。
あの日以来、動物園には行っていないということか…。
今行こうというのは、どういう心境の変化か。
それとも特に意味はないのか。
「では、動物園にしよう」
私が頷くと、嬉しそうに未礼も頷いた。
「じゃあ、あたしお弁当作るね!!」
「は?!そなた料理できるのか?!」
驚いて聞き返すと、
「お弁当は絶対いるでしょ!!台所と食材かりるねー!!
急いで用意するから、啓志郎くんは読書でもして待ってて!」
未礼は、朝食もそこそこに席を立ち、駆け足で台所へむかった。
そういえば、見合いでの釣書には、特技は料理だと書かれてはいたが、釣書を真に受けるほど愚かではないつもりだ。
一人残された居間で、妙な不安に襲われた。
2時間ほど読書をしていると、未礼の用意も整ったようだ。
玄関にむかうと、未礼の手には弁当が入っていると思われる紙袋があった。
未礼の弾んだ声と表情が、いっそう明るくなった。
もう目は完全に覚めたようだ。
提案してよかった。
「行きたいところはあるか?」
「えーっとね、どうしようかな」
「朝食をとりながら決めるとするか」
「うんッ!!顔洗って来るね!」
未礼は、軽快な足どりで洗面所へむかった。
私も竹刀を片付けるため家に入った。
晴れた穏やかな空に、陰りが見えはじめたことに、
私は気づいていなかった。
「動物園がいい!!」
食卓に座るやいなや、未礼が身を乗り出すようにして言った。
「動物園?」
「そう!すっごいちっさいときに行った以来、行ってないの!!」
「初等部の遠足では行かなかったか?」
「…うん、行った覚えないんだよね…」
上目で考えこみながら、未礼はみそ汁をすすった。
動物園、と聞いて私は一枚の写真を思い出した。
先月、未礼の実家で、未礼の祖父と会ったときに見せてもらった写真だ。
パンダの檻の前で仲睦まじく一枚の写真におさまっていた、親子3人の姿。
幼き日の未礼と、実の両親。
あの日以来、動物園には行っていないということか…。
今行こうというのは、どういう心境の変化か。
それとも特に意味はないのか。
「では、動物園にしよう」
私が頷くと、嬉しそうに未礼も頷いた。
「じゃあ、あたしお弁当作るね!!」
「は?!そなた料理できるのか?!」
驚いて聞き返すと、
「お弁当は絶対いるでしょ!!台所と食材かりるねー!!
急いで用意するから、啓志郎くんは読書でもして待ってて!」
未礼は、朝食もそこそこに席を立ち、駆け足で台所へむかった。
そういえば、見合いでの釣書には、特技は料理だと書かれてはいたが、釣書を真に受けるほど愚かではないつもりだ。
一人残された居間で、妙な不安に襲われた。
2時間ほど読書をしていると、未礼の用意も整ったようだ。
玄関にむかうと、未礼の手には弁当が入っていると思われる紙袋があった。

