アタシはカップを手にとり、紅茶を飲みながら…背中越しにいる颯斗らしき人に…「本物の颯斗」と…酒焼けしたようなかすれた声で尋ねた。 すると…今度はガスを点け…何かを炒めるパチパチという音と一緒に… 「俺は一人しかいないと思うけど…」 と返事が返って来た。 「結婚式は」 ーージャー…パチパチ… ーーカタカタ… 「止めた…」 ーーえっ…………やめた… ーーアタシのせい…