笑顔のアイドル☆

「捺綺!元気ないわね?どうしたの?」


マネージャーの住谷さんに言われ、はっと我に返る。



「あ…すいません。大丈夫です。」


「何があったか知らないけど、雑誌の撮影なんだからちゃんと笑いなさいよ。そんな顔で絶対出ないでね。」


移動中の車の中で喝を入れられたあたし。


「はい、すみません…。」

お仕事中はしっかりしなきゃ!

笑わなきゃ!






スタジオに着き、スタッフさんに挨拶をする。


「あ!捺綺ちゃん!前の撮影がちょっと押してるからもうちょい待ってね。」


スタッフさんにあたしは笑顔で「はいっ」と応えた。


しばらく椅子に座り、前の人がおわるのを待っていた。



「はい。陽翔くんお疲れ様でしたー!」


と、スタッフさんの声。



陽翔…?


ぱっと顔を上げて見ると、あたしの前に撮影をしてたのは陽翔先輩だった。
全く気付かなかったため、急に心臓がバクバクしてきた。