鉄が石にぶつかるような、金属音が響いている。

―じゃらじゃら。じゃらじゃら。


「……っ…」


じゃらじゃら。じゃらじゃら。


「……私を…忘れないで…」



真っ白なボリュームのあるワンピースに純白の緩く波打つ長髪。そして、深い青と鮮血を思わせるオッドアイ。

造りものであるような少女がひとり、そこに在った。

石造りの壁に一つの窓と寝台があるだけの質素な部屋。

窓には鉄格子。扉は重く、鍵がかかっている。

「……私は……」

足首に繋がれた、丈夫な鎖。
首に巻かれた、首輪。
それらが異質さを物語っていた。