「小4の冬にいつも忙しい父さんに休みが出来て家族で出かけたんだ。
その帰りにうちの車にぶつかって来たんだ…飲酒運転だってさ。
母さんは俺を守るように、父さんは俺と母さんを守るように死んだんだ…
俺は奇跡的に生き延びたけど父さんも母さんも打ちどころが悪くて駄目だったんだ。」
蒼君は1回も言葉を詰まらすことなくたんたんと話してくれた…
「そうだったんだ…」
その日から蒼君は1人だったんだね…
「それからは、ばあちゃんと2人でここに居たんだけど中2でばあちゃんも病気で…」
「…亡くなった??」
「あぁ。
それから1人暮らし。」
えっ!!??
それからって…中2で??
「だからもう1人に慣れた。
ってか1人の方が楽だった。」
だからあんなに静かで…
人が多い所が嫌いなんだ…
じゃあ…私と居るのも―…


