有罪モラトリアム

私「その後は･･･ＹさんやＦさんに何か言われましたか？」

彼「その日の夜にＹから電話がありました。
　ものすごく怒ってましたね。
　責任取って、Ｆと付き合えって捲くし立てて。
　興奮してわけのわからないことを言っていました。
　Ｆさんからも電話があって、謝ってました･･･。
　あんな場所であんな事言ってごめんなさいって。
　ちゃんと友達でいるので、嫌いにならないでくださいって･･･。」

あぁ･･･。
だからＦさんは私の事をじっと見つめてたんだ。
だからＹさんは私達の恋を引っ掻き回そうとしてるんだ。
私が２人の目の前に現れたから。

彼「その後は普通にＦさんと友達付き合いを続けています。
　Ｙの態度は、それからずっと冷たいですけど。」

私「Ｙさんは、きっと・・・Ｆさんと私を会わせたくなかったんですよ。」

彼「そうでしょうね。
　でも昔のことだし、ユキさんには関係のないことだし、
　ユキさんを連れてきたって構わないと思ったんです。
　僕が浮かれてただけなんです。
　他のみんなもウェイトレスに自分の彼女連れてきてたから、
　僕も連れて来たいなって。
　ユキさんと会える口実になるから･･･。
　ただ一緒に楽しみたかっただけなんです。」

私「楽しかったですよ。
　初めてのことがいっぱいで。部活のみんなもおもしろいし。
　Ｙさんのことは困りましたけど･･･。
　でも連れてきてくれて嬉しかった。」

彼「一度Ｙと話してみます･･･。
　もちろん、冷静に。」

私「私もそれがいいと思います。」

彼「さっきはすみませんでした･･･。」

私「ちゃんと話してくれたから、スッキリしました。」

彼「遅くなってしまいましたね。帰りましょう。
　心配だから家まで送ります。」

私「駅まででいいですよ･･･。」

彼「Ｙは今酔ってるし、もしかしたらまた待ち伏せしてるかもしれません。」

確かに、Ｙさん顔真っ赤だった･･･。
それに、私が１人になるのをずっと待っていたみたいだった。
それを考えたらちょっと怖くなってしまいました。

私「じゃあ・・・お願いします・・・。」