有罪モラトリアム


その後も接客を続け、しばらくするとIさんが私を呼びました。

I「そろそろお昼行ってきていいよー。」

あ!もうそんな時間なんだ…。

私「じゃあ行ってきます。なるべく早く戻りますね。」

お店は常に3~6席は埋まっている状態で、1人での接客はどう考えても大変そうでした。
私はIさんに控え室の場所を教えてもらい、Eさんに「お昼行ってきますね。」と挨拶して向かいました。

まだそんなにお腹はすいてませんでしたが…。
ずっと緊張していたせいか、少し疲れてしまって、なんだか急に彼の顔が見たくなってしまいました。

彼「ユキさん。」

控え室にいくと、カナタさんは既に待っていてくれました。
カナタさんの顔を見ると、なんだか安心します。

彼「これ、ユキさんの食券です。行きましょうか。」

私「え?」

彼「会場の好きなもの、なんでも食べられますよw」

私「そ、そうなんですか・・!
  てっきり、ここで食べるのかと思ってました。」

彼「衣装を着たまま会場では食べられないので、
  ここまで持ってこなきゃだめなんですけどね…w」

私「じゃあ持ち帰れる物にしなくちゃ、ですねw」

彼「多少融通は利きますよw パックに詰めてもらうとか。
  何か食べたい物ありますか?」

私「ちょっとお店見て回りたいです!」

彼「行きましょうか。」