有罪モラトリアム

すぐにビビンバができたので、落とさないようにと思いながら席へ運びました。

客「これ、すっごくおいしいね!」

えっ!!
よ、良かった~・・・。
思わず笑顔になります。

私「有難うございます。ビビンバです。どうぞごゆっくり。」

ふぅ、緊張した…。
ちゃんと上手にできてよかった…。

その後も、私の予想以上にお客さんがいっぱい来て、
お店はどんどん賑やかになってきました。

緊張しながらも特に失敗もなく、何組も接客をしました。

そしてある3人組のお客様がやってきたので、同じようにオーダーを取りにいきました。

客「クロ メッチョロ シカ???」

私「????!!!!」

が、外国人だ~~~~!!!
見た目じゃ全然わかんなかったよ・・・!
うわーうわー・・どうしよう?!!

突然の不意打ちに、頭の中が真っ白に…!

私「あ・・・えっと・・・。」

驚いてすっかり頭の中からボードのことが消えていました。
するとすぐ近くでお客様と話していたEさんがやってきて・・・

E「オソムニダ。」

ボードを取り出し、恐らく韓国語と思われる言葉で会話を始めました・・・。

?!!!
Eさんって・・・すごい・・・!
韓国語?中国語??よくわかんないけど、外国語しゃべれるんだーー。

会話が終わると、私の服の端をちょいちょいと引っ張って、一緒に下がりました。

私「Eさん、ありがとうございます・・!
  Eさんって外国語しゃべれるんですね~!尊敬しちゃいます。」

E「私は一応大学で韓国語も専攻してるからね…。
  なんか戸惑ってたみたいだったから口出しちゃったw」

私「そうだったんですか~!助かりました。」

E「いえいえ。」

なんだかホッとしました。
Eさんがいてくれてよかった…。