4人組〜春夏秋冬〜

松原は私の顔をのぞきこんで言ってきた
いつものふざけた顔じゃなくて、辛そうな顔で見つめてきた…

そんな顔で見ないで…
涙を耐えることができなくなる…


「拓也…!」

佐野が松原をそっとどこかへ連れて行く

私はとにかく安心した
まだ涙は止まってくれる



「泣きたいなら泣けばいい」


優が静かに言った

静寂
誰も動いていないだろう
風まで黙っている
皆…私の言葉を待っているのだろうか…


「人前で…泣けない」


「誰も見てないよ」


私に背を向けた佐野が優しく…強く言った
優も松原も私に背だけを見せて静かに立っていた


私は泣いた