「・・・こんにちは・・・」

見た時思ったことはとにかくその人は『黒』かった。
闇というようなそんな暗さ。

「何か用ですか?」

用心深く問うとその人は少し肩をすくめて僕を見つめた。
歳さえわからなかったが若いようだった。
まだ10代前半に見えなくもない・・・

「少し話しませんか?」

その人は僕を真っ直ぐ見つめてそう言った。

「・・・知らない人を・・・家に入れて良いのか、わからない」

「家族、いないの?」

「皆出かけてる」

「だったらなおさら。暇でしょ。顔に暇って書いてある」

そんなことあるわけないだろと呆れたが悪い人じゃなさそうだし
(この判断の甘さが駄目なんだろうな)
ひとまず家に入れる事にした。

なんか入れるまで帰りそうも無いし。
ご察しの通り暇だしね。