向日葵-the black cat-

「アンタさぁ、そんなんで店長とか勤まるの?」


「勤まらないと思うなら、オトーサマに進言してくれよ。」


「嫌よ。
相葉クンには逆らわない主義ですから。」


「へぇ、そう。」


「ねぇ、毎日こんなので楽しいの?」


「全然。」


そう答えてみれば、彼女はあからさまにため息を吐き出した。


つか、逆に萎えちゃって、何で俺は昔、こんな女にサカってたんだろう、なんてことまで思ってしまう。



「ヤりてぇー。」


「あら、女の子なら紹介するわよ?」


「いや、勘弁。
俺は好きな子としかしないことに決めたの。」


「嘘でしょ?」


「いや、マジ。
無駄打ちは精子が可哀想だと気付いた。」


「…アンタ、頭でも打った?」


「そうかも。」


「…ちょっとぉ、酔っ払ってる?」


そんな不審そうな眼差しに、思わず口元を緩めたように笑ってしまう。


もう、どの辺からシラフで、どの辺からが酔っ払った状態なのかも自分ですらわかんなくて、俺は一体何が可笑しくて笑ってんだろうか、と。


そう、いつも心のどこかでもうひとりの自分が嘲笑ってる気がして、吐き気を濁すようにゴホゴホと咳き込んだ。



「アンタ、マジでヤバいんじゃない?」


さすがに俺の状態に口元を引き攣らせ、“付き合いきれない”なんて言った彼女は腰を上げた。


今ならきっと、顔で笑って心で泣いて、みたいな歌でなら、一曲作れそうな気さえする。