「…龍司、アンタ本当に大丈夫なの?」


「何が?」


「顔色よ。
ちょっと会ってない間に随分やつれた感じだし、もしかしてクスリでもキメてんの?」


「冗談だろ?
ポン中と一緒にすんなよ。」


夕方になる頃、何故かやってきたのは美弥子だった。


ヨシくんが様子見によこしたのは明白で、彼女は書類を届けに来た、なんて言ってたけど、でも、やっぱり不安げな様子でこちらを見つめている。



「てゆーか、逆にクスリでもあげたくなっちゃうような顔してるわね。」


「勘弁して。
俺、そういうの卒業しましたから。」


「…本当に?」


「本当だって。
だからこんなに苦しんでんじゃん。」


「…苦しいの?」


「見て分かんない?」


「分かる、けど。
まぁ、自業自得ね。」


「うるせぇよ、犯すぞ。」


「怖い顔ー。」


そう、肩をすくめた彼女は煙草を咥えた。


用事も済んだはずなのに帰る気はなさそうで、まるで俺を監視してでもいるようにソファーに腰を降ろして少し遠巻きにこちらの様子を伺っている。



「相葉クンも心配してたわよ?」


「知ってる。」


「…親不幸ね。」


「生まれつきですから。」


そもそも俺は、何でこんな風になってんだろう。


今はもう、内に籠る理由さえも定かではなくて、ただ、毎日を無駄に生きてるだけって感じ。