「雪依!雪依!開けろ!俺だ!いるんだろ!」



「先生…?」


ドアを開けると、船越は勢い良く中に入った。

彼は雪依の顔を見ると、ため息をつき、

「生きてたか。」
と言った。

久しぶりに生の人の声を聞いた。


「…何だよ、この部屋。
窓開けるぞ。
片付けろよ、汚ぇな全く」

船越は床に散らばっている物をビニール袋に入れ始めた。

「―女の部屋とは思えないな。」
と言い、次々物を捨てていく。

「やめてっ!それは駄目!」
雪依は叫び、船越が手に取った物を奪った。