「嫌だな~。私先週泣かされたのよ。」

彼女はまだ不安がっていた。

雪依は無視して彼女から離れた。
悪いが、今は彼女の心はそれどころではなかった。



―やっと会える…―


胸を弾ませ、雪依は待ち合わせのホテルまで向かった。
走り出す気持ちを抑えながら。


いつものホテル、いつもの部屋。
二人は必ずここで会っていた。