食堂、 トイレ、 売店、 それぞれに向かうべく、 たくさんの人が教室から出てくる。 その波に逆らうように、 あたしは駆ける。 教室の自分の机から鞄を取ると、 そのまま保健室へとまた走る。 クラスメイトの数人と視線がぶつかるが、 気にしない。 ぱたぱたと廊下を駆ける音だけが木霊した。