振り返ると、小悪魔さんが見上げている
「早く知らせないとっ」
「そうね。でも今は授業中だし、休憩時間に直接会って話すほうがいいわ」
手を掴まれて少し冷静になる
桃矢くんはもちろんだけど、ケイちゃんにも知らせないと
一応、ナナミさんにも
「サボりついでに、次も付き合ってくれる?」
「もちろん」
顎に手をあてて、にっこりと微笑むと、あたしたちは授業が終わるまで話し続けた
主に妊娠疑惑が起こったときから今までについて
言っちゃ悪いけど、言ったらケイちゃんに絶交宣言されそうだけど
ケイちゃんの話は面白かった
孫が出来たおじいちゃんみたいに、服やら用具やら玩具やらを見に小悪魔さんを連れまわしたらしい
話していると時間なんてあっという間で、いつの間にか授業終了を告げるチャイムが鳴り響く
あたしは携帯を取り出すと、桃矢くんを電話帳から検索し、電話をかけた
プルル
2、3回ですぐに電話は繋がった
『桜、どうした?』
こんなタイミングで電話したからか、桃矢くんの声には不安が感じられる
早く心配から解放したげないと
「あのね、話があるのっ!」
『……あぁ。ど『一樹ーっ!!せんせーが呼んどる!!』』
あちゃ
桃矢くんの声がかき消されるくらい、大きなケイちゃんの声が聞こえる
『……わかった。悪い、呼ばれた』
「うん、聞こえた。行ってきて」
話せなかった
早く知らせなきゃ
そういう時はどういうわけかタイミングが悪い
早く誤解を解いてあげたいって思うのに
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