あたしは無理やり笑顔を顔に貼り付けて、奴の腕を掴み、


「二人が待ってるし、上に行こっ」


って、明るい声を出しておいた。



奴も無理やり、


「あぁ」


って理解したフリをした。



奴も奴なりにこの時、との瞬間を楽しく過ごしたいと思ってる。



気になることは放って置けない性質だけど、今は我慢。



あたしたちは嫌な雰囲気のまま、ナナミさんとケイちゃんの待つ2階へと上がっていった。