目の前には、グラスに林檎ジュースが注がれていて、
主に飲まれるその時を待っている。
こうなってみて、
あたしはとことん奴のことを
何も知らなかったのだと思い知った。
奴の家は近い。
でも、場所までは知らない。
奴は何人兄弟で、
どんな家庭なのか。
ましてや、
一人暮らしだなんて思いもしなかった。
たまに休日に出かけるときに
見かけたことのある、深い緑色のアパート。
そこが奴の住処。
場所が分からなすぎて、
散々迷った挙句に迎えに来てもらった。
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