奴のとなり




奴は彼女達を睨みつけると、
あたしの前に歩み出る。



「お前ら」



恐い奴が凄むととてつもない。



あたしは慌てて彼女達は何でもないって、
いい人達なんだって言おうと
口をパクパクさせたけど、声にならない。



どう話していいか分からなくて、
何から話せばいいのか分からなくて。



でも今ヒーローは必要ないって伝えないと。



じゃないと彼女達の身が危険だ。



声にならない声を出してみても奴は気づかなくて、
あたしは奴の袖を掴む。