ハクバの王子

日が経つにつれて
私への注目も薄れていった。


2人で一緒にいる時は流石に見られてる気がするけど
私一人の時はもうジロジロ見られることはなくなっていた。


その日の帰り道。

冗談混じりで雨宮君に言ってみた。


「雨宮君って結構モテてたんだね。知らなかった」

「んだよ、それ。ヒナコは俺のことカッコいいって思ってなかったわけ!?ひっでーなぁ」

「違うよ!そうじゃなくて……なんか、不思議だったから…」

「不思議…って何が?」

「そんなモテる人が私の隣にいるってことが」

「しょーがねーじゃん。スキになっちまったんだから。悪かったな、イケメンの俺が隣にいてー」


そんな言い方しなくても…

「イジワル…けど、私は雨宮君のこと誰よりもかっこいいって思ってるよ!」


「そっ…そりゃあどうも…」



私の一言が利いたのかも。
雨宮君は、顔を背けて恥ずかしそうにしてる。

『やった!いつもからかう仕返しだよ』




今日は私と雨宮君、
立場がいつもと逆転したみたいだった。