ハクバの王子

「じゃ、俺そろそろ帰るわ。お前のお母さんも帰って来るっしょ?お前も元気になったみたいだし…」

「そだね…もうそんな時間か…」


時間がたつのは早い。もう6時だった。


「メールしろよ」

そう言って、家を出て行く雨宮君の後ろ姿を眺めながら思った。



『まだ離れたくない。もう少し一緒にいたい』



そしたら、体が勝手に動いていた。





雨宮君に向かって雨の中を駆け出していた。