ハクバの王子

「あのさ、ずっと考えてたんだけど・・・」

「ん?」

「私のこと・・・どこをスキになったの?」

「はっきり聞くねー」

ヒナコの発言には何度も驚かされるけど、
今回はスゲーびっくりした。
新喜劇みたいにこけそうだった。

はっきり聞きすぎだっつーの!


「あ、ご・・・ごめん。なんかすごく気になって・・・
だって私なんて何の取り柄もないし、
背は小さいし、顔だって美人じゃないし
今まで、男の人と話したこともあんましないし・・・」

「ん~・・・強いて言うなら、お前がアメ女だから・・・かな?」

「???」

「全部がスキってこと」

「・・・理由に、なってない・・・よ」


ヒナコは顔赤くして目をそらして恥ずかしそうにつぶやいた。


「詳しいことはまた今度な」


俺はそう言ってはぐらかした。


まだ言わない。


2年前のこと。


ヒナコは覚えてないかもしれないし。




俺だって怖いんだ。



ヒナコの一番になれないかも・・・

ヒナコの気持ちをつかめないかも・・・



そう思うと慎重になってしまう。






俺って女々しい・・・