ハクバの王子

ヒナコが作ってくれたチャーハンは意外とおいしかった。


料理はうまいけど、片付けは下手。

ヒナコをからかうつもりで
料理してる間ずっと一緒にキッチンにいたけど、
結局俺が洗い物とかしてた。



いいように使われてる・・・??




けど、そういうのも悪くない。
実は俺ってMなのか?
んなわけねーよな・・・



「おいしかった?」

「んー・・・まあまあ?」

「なにそれ。せっかく一生懸命作ったのに」

「ウソだよ。すげーうまかったって!」

「ホント!?やった!」


満面の笑み。


やっぱヒナコは笑ったほうがいい。
この笑顔を放したくない。



昼飯を食べてしばらくリビングでテレビを見ていた。
テレビからは楽しそうに笑う出演者の声がしている。

俺はその声を聞きながら、ヒナコのことを考えていた。





その時、おもむろにヒナコから話し出した。