ハクバの王子

どれだけ歩いただろう。


気付くと全然知らない場所だった。


京都らしい古い町並み

誰もいない石の道

昔にタイムスリップしたみたい



なんだか懐かしい風景が目の前に広がっていた。



「ここ、どこだろ?」

思い出したように時計を見ると、集合時間まであと1時間しかなかった。


「やっばっ!!あと1時間!?戻んなきゃ!」



元来た道を戻ろうとしても、どっちから来たかわからない。




「どっち?
こっちだ!!(たぶん)」


変な汗かいてる…




でも、進めば進むほど遠くに行っている…
気がする





「もういやだ…泣きたい…」



一人で道に迷った心細さ
服部君への思い
ユキとの関係
自分の弱さ




心に詰め込んだ全部の想いが弾けた。