ハクバの王子

「おっ…重くないもん!」

何か言わなきゃと思って出て来た言葉がこれ。
マヌケすぎだよ。


でも、ちょっと待って…
今何時!?

時計を見ると集合時間はとっくに過ぎていた。
「雨宮君!オリエンテーションは?まさか行かなかったの!?」

「あぁ。そういや忘れてたわ」

忘れてた…って
まさか、私のせいだったりするのかな…

「あの…さ、もしかして、行かなかったのって、まさか私のせい?」

「まあ、それもあるかな」

「うそ…ごめん」

「冗談だよ。まぁ、お前が倒れたってのもあるけど実際行かなかったのは俺の意思だし。お前が心配だったしな」

「あの…えっと…ごめんなさい。ありがとう」

「別に。ってか、俺はこっちのが嬉しいんだけど。ヒナコと二人きりだし?」


そう言ってニッコリ笑った。



そうだ!忘れてた!
今この家には私と雨宮君の二人だけなんだ!


どーしよう…