ハクバの王子

「キャー!!な、なんで雨宮君が?!」

布団を被って、顔を隠した。

『ウソ!?なんで?訳分かんない…』

頭の中はパニックで、何も考えられなかった。

「お母さーん、いるんでしょー!」

とりあえず、叫んでみても返事はない。


「お母さんなら、さっき仕事行った」

ベッドの側に座りながら雨宮君は説明し出した。


「俺さ、朝ヒナコのこと迎えに行ったじゃん?んで、ヒナコが出て来たから歩き出したら突然ぶっ倒れて。ちょー焦った。家の真ん前だったからよかったけどな。で、お前のお母さん呼んで俺が部屋まで運んで。で、今に至るわけ」

淡々と話す雨宮君の目の前でどんどん顔が赤くなる私。



「運んだ…って、どうやっ…て?」

「そりゃあまあ、たぶんお前が想像してる通り?」

「うそ…」

「うそじゃねーよ。お前、結構重いのなっ」

そう言っていたずら顔で笑う。





『お姫様だっこ!?うそでしょ!!恥かしすぎだよー』