ハクバの王子

最初は気付かなかった。


すれ違う人すれ違う人、私たちをジロジロ見る。

ふと見上げると、雨は止んでいた。


けど、雨宮君は傘を閉じようとはしない。

『もしかして気付いてない?』



意を決して
「雨、止んでるよ」って言ってみた。


そしたらやっぱり気付いてなくて、すごく慌ててる。

その姿がいつもの印象と全く違って、すごく可愛く感じた。




雨宮君の違う一面を見れた気がしてすごく心が弾んだ。