ハクバの王子

陽に当たって胸まである黒髪がキラキラと光っている。


『早く来るのも・・・悪くねーな』



俺は、近づいて綾瀬陽奈子の席の前の椅子に後ろ向きで座った。

気持ちよさそうに寝ている顔

また抱きしめたくなった。


「まつげ、なげー・・・肌しろっ・・・・・・髪・・・・・・・・・きれー」



俺はそっと髪をなでる。

起きるんじゃないかとビクビクしながら。




「やっぱヒナコのことスキだから。俺のことスキにさせるよ。覚悟して」




耳元で囁き
ほほにキスしてやった。