ハクバの王子

学校の前には校門まで桜道が真っ直ぐ続いている。

桜が学校へ行くのを歓迎してくれているようだ。
いつもは学生で溢れるこの道も、まだ時間が早いから道には俺一人。

『なんか、寂しー・・・』


ちょっと後を振り返って苦笑い。





一人だと思ったら、
遠くの方から全速力で走ってくる人の姿が見えた。


『なんだ?まだ、学校始まるまで1時間以上もあるのに』



俺は立ち止まってそいつが近づくのを待っていた。