「で?で?でぇ~?」
私はニヤニヤしながらユキに近付く。

「何よ~。」


何って、

決まってんじゃん。


私が聞きたいこと分かってるでしょ?



「何て言われたの~??」


「何って…普通にだよ。ふつうに。」


平気な顔してるのって辛い。


「えーっ…教えてよー。今後の参考に!」


私が言って欲しかった言葉。



「んー…普通に“スキなんだけど…”ってね」


♪~♪~♪~♪~


聞き慣れないメロディーが部屋に鳴り響く。




「あっ!ユウヤだ」
「ヒナコ、ごめん。電話出て来るね」



私の返事も聞かず、
ササッと部屋を出て行くユキ。

「ユウヤ…だって」

しかも、着うたも変えてるし!

ユキ、幸せそう。








実は私も服部君スキ……

なんて、言えない。



いいんだ。

ユキが幸せなら。




この気持ち、
なかったことにしよう。



今ならまだ間に合うから。