「ちょっと・・・雨宮く・・・ん」

雨宮君、ドキドキしてる。



「俺にすれば?」

抱きしめられたまま耳元で囁かれた。


「何言ってんの?おかしいよ、雨宮君」

そう言ったら、もっと強く抱きしめられた。

「俺にしろよ。・・・陽奈子」


陽奈子なんて、男の子に初めて呼ばれた。

自分でも、ドキドキしてるのが分かる。

放してって、言えなかった。


なんか、
雨宮君に抱きしめられているのが
すごく心地よくて、


もう少しだけ、
もう少しだけ抱きしめていて欲しかったから。