無言の帰り道


その沈黙を破ったのは雨宮君だった。


「あのさ、綾瀬さん・・・」

「え?・・・な、なに?」

「違うんだったらゴメンね。」

「う・・・ん?」

何の話だろ?


「綾瀬さん、もしかしてユウヤのことスキ?」

「な!!!何言ってんの!違うよ!」

突然確信を付いた言葉を言われて、
でかい声で叫ぶ。


「そっか。じゃあ、ごめん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」



再び沈黙。



なんで分かったんだろう。

今まで、二人には全然ばれなかったのに。

私、なんか言ったかな?

ばれるような行動取ったのかな?




考えているうちに北通り駅に着いた。


「じゃあ、ここで。また明日ね」

そう言って雨宮君は反対側の電車に乗ろうとする。





「待って!!」

そう言って、雨宮君の袖をグイッとつかむ。

自分でも信じられない行動。


雨宮君は驚いた表情で私を見る。

「何?」


「話・・・話が、あるの」