ハクバの王子

「ごめん、ごめん!お待たせー」

そう言って、
私のちょっと前を歩くユキは
服部君とその友達に
大きく手を振った。





「おぉ!おせーよ」

服部君はそう言いつつも
嬉しそうに笑う。


そして、隣りの男の子を
親指で指差しながら
紹介した。


「こいつ、今日からオレのダチで雨宮晃太。オレのダチは2人のダチだから」

「どうも。アマミヤコウタです」


そう言ってペコッと首を折った。



「コウタね。よろしくー。私はユキ。吉田雪。んで、こっちがヒナコ」

「こっこんにちは。綾瀬陽奈子です」


私はユキの後ろから
ちょっとだけ顔を出して
ペコリと
頭を下げる。



「つうか、こんなとこで突っ立ってないでどっか行かね?」


「だねー。私小腹減ったー。とりあえずマック行こ」




スタスタ前を行く
ユキと服部君の後ろに
私と雨宮君が続く感じで
私たちは
駅前のマックへ。






もちろん、私と雨宮君はその間無言だった……。