ハクバの王子

ユキは、突然私の両肩を掴んだ。


「がんばんなよ!」



へっ??

何のことだろう?


「今日はヒナコのためにユウヤに無理矢理頼んだんだからね!」



今朝のユキとの話を
思い出した。



“ヒナコも彼氏作りなよー

……うん。”




たしか、こんなこと言った気がする。


「でっでも、こんなにすぐなんて…」


「いいのいいの。こういうのって早い方がいいんだから!」




ユキ…
気持ちは有り難いけど
服部君の友達…
って残酷だよ。

ユキは知らないと思うけど
私は服部君がスキなんだよ。



……たぶん今も。

服部君が私の“白馬の王子”だって
ユキの彼氏なのに
まだ信じてる。






って言ったら怒る?
もう親友じゃなくなっちゃうのかな?





「わかった…がんばってみる!」


そう答える約3秒間
私の頭は
フル回転していた。