ハクバの王子

「ユキ、ヒナコちゃん!帰ろうぜ!」


ちょうどHRが終わった頃
服部君が教室の後ろの扉からヒョッコリ顔を出した。


「オッケ。ヒナコー、行くよ!」

「あ…うん。ちょっと待って!」


私は急いで鞄に教科書を詰め込んで
ユキの元へ
小走りで行った。



「そだ、ユウヤ。うちら先生に呼ばれてたの忘れてた!ちょっと先行っててくんない?」

私の方をチラッと見て、
微かに笑うユキ。


ん???


「はぁ!?お前ら入学早々何やらかしたん?」

「うっさい!はい、散った散った!また後でね」






え?
私たち先生に呼ばれてたっけ?



「ヒナコ、話があるの」


ユキが真剣な顔をして
私を真っ直ぐ見る。



「う……ん」




笑顔の印象しかない
ユキ真剣な顔、





なんか不吉な予感。