放課後 教室に忘れ物を取りに戻ると、密かに想いを寄せている子がたった一人ですやすやと寝息をたてている……という、なんともベタなシチュエーションが俺を待っていた。 そっとソイツに近付いてみても起きる気配が全くない。 サラサラとした髪が頬を流れていて、目で追うとその先にはうすく開いたちいさなくちびる。 それを見た瞬間、そこから目が放せなくなって、気がついたら指でふれていた。