「あぁ。まだ続いてるよ。」

正直、少し面倒臭かった。
なんとなく、次の展開がわかったから。

「すげぇよな!!10年だろ?」

「お前らいつも一緒だったよな。」

みんな口々に感想を述べてきた。

「てか、俺たまに駅で内田と会うけど綺麗になったよな。昔から可愛かったけど。ホント~に紘平にはもったいねぇよな。」

ヒロシが悔しそうに言ってきた。

「あぁ。俺もそう思う。」
と言うと、
「ウザッ!!その余裕ムカつくわ~」
と隣の充にくっついた。
「触んなよ。気持ちわりぃな。千景は小学校の頃から可愛かったよな。」
ヒロシを振り払いながら、充が言った。
中学からの奴らは内田って呼ぶけど、小学校から一緒だった充は千景と呼んでいる。

「まぁな~てゆうか、内田モテてたのに、紘平があれだけガードしてたら男なんて寄りつかねえよな?」

隣の加藤が俺以外の二人に同意を求めた。

「えっ?」

俺はその一言に疑問を感じて、思わずえっ?と聞いてしまった。

俺がガード?
そんなことした覚えはない。

「お前、自分では気付いてないだろうけど、こう、かなり“俺の千景に近寄るんじゃねえぞ”オーラ出してたぞ。」

「ホントだよ。あれだけくっついてたら、誰も取らねえよな。」

「好きな奴の側にあんなのいたら、やる気失せるわ。」


おいおい。
何だそれ?
俺はそんなことしていた覚えないぞ。
確かに千景を狙っている奴がいたのは知っていたけど、近寄らなかったのは俺のせいってことか?
てか、俺、そんなオーラ出してたのか?
自分では気付いていないって無意識ってことか?
それって重症じゃね?


「あぁ!!」

そんなことをぼんやりと思っていたら、突然大声で何か思い出したヒロシが叫んだ。