「関係あるに決まってるじゃないっすかぁ~。男女の付き合いでいっちばん!!重要っすよ!!」

真剣だな、こいつは。

「そういうこと、俺に聞いても参考にならないぞ。」

「だって10年も付き合うなんて有り得ないじゃないっすかぁ~。あっ!!普通はぁ~。」


わかってねぇな。
だから、俺は普通じゃねぇんだよ。


「んじゃ、その“普通”のカップルは週何でヤルのよ?」

「“普通”っすかぁ?“普通”は毎日でもヤリますよ~。会えばカナラズ!!」

「ほんとかよ…。」

「まじですって!!で、紘平さんは?彼女さんと近所なら毎日ヤルんすか?」

「やらねーよ。てか、毎日なんて会わねえよ。」

俺は少し乱暴に答えた。
それでも高原は真剣で、俺はなるべく目を合わさないようにしていたが、高原からの視線は熱く感じていた。

「そうなんすか?じゃ最近ヤったのっていつなんすか?」


何で、こいつは人の性生活にこんなに興味津々なんだ?
中学生かよ。

「………。3ヶ月前くらいだったかな、たぶん。」

「ええ~!?まぁじで言ってるんすかぁ~!?」

「まじだよ。」

「えっ!?もしかして全然会ってないんすか?」

「いや。」

「最近会ったのいつっすかぁ?」

「昨日。」

「えっ?じゃあ昨日何してたんすか?」

「彼女ん家行って~」

「(うん)」

「あき…あっ、あきってのは彼女の妹なんだけど。」

「(うん)」

「あきのご飯食って~」
「(うん)」

「あっ、その前に犬と遊んで~」

「(うん)」

「飯食って~風呂入って~」

「(うん)」

「彼女の部屋掃除して寝た。」

高原はうんうん頷きながら話をまばたきもせずに話を聞いた。

「…で?それだけっすかぁ?」

「そうだよ。」

「何もナシっすか?」

「あ~チュウはしたよ。」

俺はちょっとだけ得意げな顔をした。