注文したビールと枝豆や焼き鳥が運ばれてきた。

ひとまず乾杯をして、お互いにビールを喉に流し込んだ。


「お前さぁ…」

さすがにいきなり本題はキツいと思い、なるべく違う話題を探した。

「はい?」

「夏休みどうすんの?」

「夏休みあるんすかぁ?」

「今年は交代でとれるみたいだぞ。実家帰んの?」

「…そうっすねぇ。まぁ帰るって程の距離でもないんすけどね。」


マズいと思った。

夏休みにきっと彼女との約束があった、もしくは、高原は彼女と過ごそうと考えていたに違いない。
わざわざ彼女を連想させるような話題を振ってしまい、申し訳ない気持ちになってしまった。


「実家、埼玉だっけか?」

「そうっすよ。」


高原は枝豆をゆっくりと一粒一粒味わうように食べていた。


俺はジョッキのビールを一気に飲み干し、もう一杯頼んだ。