サクラサク

『ネクタイ』

あなたのワイシャツのエリが
よれてるのを見かける度に

『疲れてるんだな』

なんか切なくなる
家事は苦手だけど
アイロンがけだけは好き
だからあなたのワイシャツのエリをぴしっとさせたいし
その役目を与えて欲しい

それなのに…

「分かりました」
「お願いします」

あなたの好意に甘えて
ネクタイみたいにぶら下がっちゃってる私は
心にアイロンかけた方がよさそうだ

真っ直ぐになればいい
伸びて広くなればいい

泣きたい心ごと押さえ込みたい
恋なんてキツいから心の引き出しにしまいこみたい

でも私は私で「誰か」になんてなれないから
今日もただぼんやり窓の外を見ていよう