見てるだけなんて、水無月君は気持ち悪いと思ってるに違いない。

自分を正当化する。


せめてメールくらい。

どんどん欲張りになる。


こんなにも彼の事を考えるのは、季節のせいか、"好き"の感情のせいか。


そんな事を考えていると、水無月君とそのお友達が席を立った。

少し、残念。


私の横を通った時、彼が私に微笑んだ。
そんな気がした。


「行っちゃったね」

アキが囁く。

「でも最後、紗都見てニコッてしなかった?」

「え…、や、やっぱり?」


どうやら思い過ごしではなかったみたい。


思い出して、何度も顔が緩む。


「紗都、気持ち悪い」

「今だけやから、お願い」



外では雨が雪に変わっていた。


メリークリスマス。


少し早めのサンタの小さなプレゼントを、私はそっと心に仕舞った。


胃の中のスープが、熱を完全に取り戻した。




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