――――……
「よしっ、かーえろっ」
今日も無事に仕事を終え、残業もなく定時で帰宅。
朝子の様子が気にかかり、話でもしようとご飯に誘ったものの断られた私。
「…ん~…一人で飲んで帰るか!」
家に帰って一人でゆっくりビールでも飲もうと思ったけど、今日は見たい番組もないし、まっすぐ家に帰りたくない。
だって俗に言う「花の金曜日」だし?
もしかしたらナンパなんてされちゃうかもだし?(ほぼスッピンの女をナンパする確率は、ほぼ0%だが)
てな訳で、一人で居酒屋直行!レッツらゴー!
―居酒屋―
「…」
何でだろうか。
どうして違和感があるのだろうか。
いつも来ている店なのに、何故か落ち着かない。
カウンター席に座り、チビチビと酒を飲みながら、理由を考える。
「恭子ちゃん今日も一人?笑」
「すみませんね、今日も一人で!」
こちらはこの店の大将。すっかり常連の私に、もう遠慮もクソもない。
「彼氏は?まだ?」
「彼氏なんていたら来ませんよーっだ。」
「そりゃ困るね、うちの売上が。もう一生一人でいなよ。笑」
「あなたには思いやりというものがないのか!」
「ない!エヘッ☆」
どうしたものか、この親父。
いっぺん首絞めたろか。
