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「……ってなわけよ!どう思う?!やっぱ正人って私のこと好きなのかな?!」
「どこをどう間違えたらそういう考えに行き着くのか私にはわからんが。」
「案外オクテなとこにちょっと萌え☆」
「いいね、アンタは。悩みなさそうで。」
昨日の出来事を、朝子に事細かく説明していると、大きなため息をつかれた。
今、私たちは社員食堂で昼御飯☆
「ため息なんてついてると幸せ逃げちゃうぞ☆」
何となくデコピンなんてしてみた。
その時。
朝子の前髪が一瞬だけ浮いて、何やら赤いものが見えた。
「ちょ、朝子、デコに怪我…」
「あ、あぁ、昨日柱にぶつけちゃって。笑」
「柱?」
「うん、慌てて部屋に入ったからさ、ドンっていっちゃってね!ドジった。笑」
「ふ~ん。」
柱にぶつけただけで、あんなに赤くなるかな?私はよくあるけど、あんなに赤くなったことなんてない。
「冷やさなくて大丈夫?」
「平気、平気!よくあることだし!てか、私仕事溜まってるから先行くわ!」
「わかった~。」
何か話はぐらかされた?残り少なくなったカレーライスをかき混ぜながら、そそくさと立ち去る朝子をジッと見てみる。
「…何か変…」
ボソッと呟いた言葉は、ソースをかけ過ぎたカレーと共に口の中に溶けていった。
