―――……



『恭子っ!』



『お願い正人!…それ以上言わないでっ…』


『でも俺っ…』



『…私とあなたは結ばれない運命なの…』



『…でもっ…』



『…お願いわかって!あなたと私は、所詮ロミオとジュリエット…』



恭子が言い終える前に、正人が恭子の体を抱き締める。
二人の姿の向こうには、綺麗な夕焼けに染まる海。



『俺たち、最悪な出会い方しかできなかったけど…俺は運命だと思ってる…』



『正人…』



『…世界を敵に回してもいいっ!俺はお前を愛してるっ…!』



『正人っ…!』



二人の唇が静かに重なる。恭子の頬を伝う涙を優しく指で拭き取る正人。



『結婚しよう…俺についてきてくれ…』



『…はいっ…!』



そしてまた抱き合う二人。
神に背いてまでも自分たちの愛を貫く決心をする二人を、沈み行く太陽だけが見ていた…。