「頭痛が痛い」
「そこは敢えて聞かないほうがいいな」
「いやいや、そこは聞くべきだろうよ。てか、聞いてくれなきゃ、あんたの部屋に来た意味ないよね?」
「まぁだいたい話はわかるけど」
「だったら話は早い。ねぇ!私どうしよう!」
「どうしようって俺に聞かれても…」
「あんたに聞かなきゃ誰に聞くんだよ!」
「知らねーよ!」
産まれて初めて経験したモテ期に、私動揺を通り越して、だいぶ疲れています。
疲れた結果、正人の部屋に上がり込んで、刺身で焼酎呑んでます。
あ、もちろん持参でね、正人の分の刺身もね!
私って優しい!
「ミキ姉…幹夫さんからの衝撃の告白から1週間。
あれから幹夫さんには会ってはいません。
いやいや、牛くんも中山さんもちゃんと覚えてますよ?
でも、幹夫さんの告白が私にはかなりのショッキングな出来事過ぎたのです。」
「え、急に口調変わったけど?」
「いやいや、お気になさらず」
「悩んでるって割にはよく食べてよく呑んでるよね」
「まぁまぁ、お気になさらず」
「俺、カンパチが良かった」
「うるさい、黙って食え」
せっかく鯛を買ってきてやったのに!
2割引だったけど。
イカの塩辛だって持ってきてやったのに!
ずっと冷蔵庫入ってたやつだけど。
てゆうかさ。
「あんたさ、何かシラケてない?てか、他人事だよね、態度が。」
「え、他人事だし」
「いや、あんたもっと優しい奴だったじゃないの!何か今日違うよ!」
「何が違うってんの。普通だよ、普通。」
いやいや、何か今日の正人は違う。
毒舌も吐かないし、何かよそよそしいし、それに。
「じゃあなんで目をそらしてんのさ」
そう。部屋に上がり込んで、1度も目が合わない。