それから2時間。
延々と朝子の乙女話を聞かされて、何故か昔の男の話になっちゃって。
その結果、私が知ってる「朝子が今まで付き合った男の人数」と、「初体験の年齢」が、大幅に違うことを知った。
お酒って怖いわ。何でもかんでも喋るのね。
つーか朝子、嘘ついてんじゃねぇよ。
とりあえず、酒とツマミとご飯ではち切れんばかりに膨れた腹を抱え、私たちは居酒屋を後にした。
未だ乙女モードに入りっぱなしの朝子は、ミキ姉に会いたいからと私の部屋に泊まると言い出した。
何か嫌な予感。
マンションの下までやって来た頃には酔いもすっかり冷めてしまい、朝子もだいぶ乙女モードから乙女本気モード(?)に入ったようだ。
しかし。
ちょうど部屋がある階にエレベーターが着いて中から出た時、さっきはイケメンだと褒めたものの、今最高に大嫌いな人間とばったり会ってしまった。
しかも目が合って、逸らしたら負けだと思った私は、かなり睨んでやった。
