お隣さんの恋愛事情




―――………



「あんた今日変じゃない?いつもだけど。」


「…」



「…(いつもならここで怒るのに)」




とにかく早く会社が出たくて、無理矢理仕事を終わらせて、朝子を引き連れいつもの居酒屋へやって来た。

たぶん明日は課長に怒られるだろうな…今日の仕事適当にやっちゃったしな…はぁ…。




「恭子ってば!」



「あぁ、ごめんごめん。」



「マジでどうしたの?」



かなり迷った結果、中山さんとのことを朝子に話してみた。口が裂けてももミキ姉や正人のことは話せないから、かなり手こずった。


なのに。



「うん、それで?」



「え、反応うっす!!」



「だって中山さんが恭子のこと好きだって見てたらわかるもん。」


「マジで?!」



「あの人わかりやすすぎだもん。言っとくけど、恭子にだけだよ?あんな優しいの。」



「うそーん!」



「だから本当だって。気づいてないのあんただけだからね。たぶん皆知ってるよ。笑」




知らなかった。
全く知らなかった。
私だけ知らなかった。

私だけとか、だいたひかる思い出したんだけど。