「俺は健太でいいから!なぁ、響って呼んでいい?」
体育館に向かう途中、奴は俺に聞く。
「ああ。」
俺が答えると奴……健太は笑った。
人間界でも俺は
誰かと深く関わるつもりはない。
もちろんこいつとも…
深く親しくなんて……
ずっと孤独が良いんだ。
でも…もし…
狩りに成功したら…?
俺は……
「響良かったな!鈴村と席隣同士で。」
健太は俺に言う。
「そうか?」
やっぱりあいつ男子に人気あるのか……
「まぁ、俺は彼女いるし狙ってないけど!」
健太が言う。
「彼女?」
いるのか……
「超可愛いんだぜ。かなり俺のタイプでさ。」
「ふーん…」
こいつのタイプってろくなもんじゃなさそう…
つか、俺は女に興味ないのにな…
雨音は俺にとってはただの獲物。


