「この刻印が俺をずっと苦しめてきたんだ…」
響君は胸元の刻印を触りながら言う。
響君……。
「何が苦しいの…?」
私は響君に聞く。
すると
「知らない方が良い事もある。大丈夫だ。」
響君が笑って言う。
響君……。
「そっか…」
「…引いた?これ見て。」
響君は私に聞く。
「ううん!」
私は首を横に振る。
「良かった。雨音には理解してもらいたかったから。」
響君が言った。
響君……。
「痛かったね…」
私は響君の胸元の火傷痕に触れる。
消そうとしたんだね…
何度も何度も…
私はただ優しく撫でる。
すると
――ドキッ
響君は私の手を掴む。
「お前は違うんだな…」
響君が言う。
「……え……」
違うって……?


